株主・投資家の皆様へ

 株主の皆様には、平素より格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。

 2023年度の業績につきましては、売上高が前期に比べ82億9百万円増収の1,009億7千5百万円となり、過去最高となりました。
 損益の状況につきましては、営業利益が7億1千9百万円増益の10億7千3百万円、経常利益が15億2千1百万円増益の30億9千3百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は15億8百万円増益の19億9千万円となりました。営業利益は、売上高の増加及び合理化改善による増益影響が、新製品開発に対する研究開発費及び従業員の昇給を含めた人的投資などの「意志ある固定費」、藤岡工場における事故影響などのコスト増を吸収し、増益となりました。鋼材・資材・物流費及び動力光熱費等のインフレ影響は前年度高騰した分の影響も含め大きな減益圧力となりましたが、お客様との適正な売価反映交渉が国内、海外において実現でき、結果、ほぼ全てのインフレ影響を相殺する事ができました。第4四半期の急激な生産台数変動に対する生産性ロスを最小限に抑えながら、中長期経営計画で掲げていた製品の高付加価値化として新技術を搭載した新製品スタビライザの量産開始による収益性の向上に加え、グローバルにおけるエンジニアリング調達改善強化など従来の延長線上を超える原価低減を実施いたしました。特に課題としていました北米地域が当連結会計年度通年で黒字化を実現いたしました。各機能単位に明確な目標を課し、着実なPDCAサイクルを実施することで事業基盤が強化されてきております。現地ローカルを主体として更なる競争力強化、自立化の取組みを今後も実施してまいります。併せまして、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益も増益となりました。経常利益と営業利益の差は、当社は自己資金によるグローバルオペレーションを実施していることから、為替が円安方向に振れたため、外貨保有資金に対し営業外増益効果が出たためです。
 なお、2023年度実績は通期業績見通しを全項目に対し達成しております。

 2024年度の見通しにつきましては、主要なお客様の自動車生産台数の増加に伴い売上高は増加すると予想しております。一方、将来に向けた経営基盤強化のための「意志ある固定費」は前年に続き投下してまいります。新製品、生産能力対応のための過去最高レベルの設備投資、研究開発費の増加に加え、従業員に対する人的投資、職場環境・安全対応、SDGs関連コストを計上する予定です。対して、製品の更なる高付加価値化、原価改善施策の強化により収益向上を図り、増収、営業利益増益計画としております。経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、為替レートが当年度末より円高方向に振れる前提に立ち、当連結会計年度実現した円安による営業外増益効果が消滅する事から、減益予想としております。
 今後の中長期経営計画達成に向けた努力を継続いたしますが、その大前提となるのは安全、品質、コンプライアンスの基本を徹底的に守り抜き、それを維持できる人財を育成することだと認識しております。本年事故の教訓を決して忘れることなく確実な成長と発展に向かい進んでまいります。クリエイティブ・カンパニーとして信頼される「100年企業」を目指してまいります。

 今後とも皆様の変わらぬご支援とご指導を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

2024年6月