そもそもばねってどういうものですか?

外力によって形や体積に変化を生じた物体が、力を取り除くと再び元の状態に復元する性質を弾性と言います。
この弾性を持った物体を『ばね』といいます。
ばねは、たわませてそのエネルギーを弾性エネルギーとして放出させたり、衝撃力をばねのたわみエネルギーに変換し、衝撃吸収させたりして活用する事ができます。

ばねって車のどこについてるんですか?

サスペンション用ばね、エンジン内の弁ばね、トランク、シート、ペダル、各種スイッチ内など、様々なところにいろいろなばねが使われています。

車におけるばねの役割って何ですか?

サスペンション用ばねは、ショックを和らげるために使われます。
エンジンに使用されるバルブスプリングは、エンジン高回転時でも、バルブをスムーズに開閉させ、必要なエンジン性能を引き出しています。

ばねって何でできているんですか?

主に鉄、とりわけ鋼という鉄の合金に加え、目的に応じてチタン、ステンレスといった金属でできています。さらにゴムや樹脂、セラミック、気体や液体といった金属ではない材料のものもあります。

ばねってどうやって作るんですか?

主に成形⇒熱処理⇒後工程となっています。
■成形 コイリングは、一般に高い温度で巻く熱間成形と常温で巻く冷間成形があります。
■熱処理 熱間成形品は、焼入れ(900~1000℃程度の高い温度で加熱して 焼入れ油の中に入れる)後に焼戻し(焼入れした状態で400~500℃ 程度で加熱して必要な硬さと粘りの性質を得る)を行います。
■後工程 ショットピーニング(表面に小さな鋼球を高速で打ち付けてばねの表面 に加工硬化と圧縮残留応力を付与し寿命を上げる)や、めっき処理(防食 性や装飾性を持たせる処理)などがあります。

ばねのテストってどうやってするんですか?

ばねのテストは、ばねの寿命,材料の強度,表面処理の防錆力など、テストにより確認したい目的によって様々な方法があります。
ばねの寿命確認には、ばねに繰り返し負荷を与えるクランク式や油圧式の耐久試験機を使用します。
材料の強度確認には、材料を引っ張り破断させる引張試験機、材料を曲げる回転曲げ試験機などを使用します。
表面処理の防錆力確認には、一定温度を保ち定期的に塩水を噴霧する試験機を使用します。

ばねっていろんな種類があるんですよね?

はい。あります。
主に丸線でできたコイルスプリングや、板でできた板ばねなど、形状は様々なものがあります。大きさも両手で持ち上げられないような重ね板ばねから、小指の先に乗るような小型ばねまで実に多種多様です。
その他、金属ではなくゴムや樹脂、流体(空気)を用いたばねもあり、そのようなものも含めると、ほぼ全ての機械にはばねが使用されていると言えます。

変わった形のばねってありますか?

丸い線材から出来ているばね以外に、薄い板から出来た“板ばね”もあります。板ばねは、薄い板から、打ち抜き加工、曲げ加工等を経て、製品となります。板厚を変えたり、形状を変えたりする事で、色々なばね特性が得られるため、様々な用途に応用されています。写真のばねは、人間の“肋骨”と“背骨”をあわせた様な変わった形状をしています。“肋骨”部分で相手部品を保持する力を発生するだけでなく、“背骨”の方向へも変形して振動を吸収します。